本連載の「技術者倫理入門(2)」で、わが国の工学系高等教育機関における「技術者倫理」の学習目的は、技術者として有意義な人生(注1)を過ごすための学習であると述べました。この有意義で、かつ楽しい人生を過ごすためには、技術者として倫理的判断を求められる問題を見事に解決することが不可欠となります。 そこで述べたように、その解決法は三つあり、すなわち、(1)手法による解決法(例:決議論)、(2)具体的事例による解決法(例:チャレンジャー号事件)、(3)上司・先輩の指導による解決法(例:OJT)の三つ解決法です。前回「技術者倫理入門(3)」に続き、「技術者倫理入門(4)」では、そのなかの一つで、先人が体験した具体的事例を学習し、そこで遭遇した問題を、どのように先人が解決したかを把握します。それをベースに、技術者は自身が遭遇する問題と比較検討し、直面している問題を解決する方法です。特に、技術者の多くが