ストライプ型-ラムダ-五酸化三チタンで発見された新概念「蓄熱セラミックス」の概要を示す図。加熱により230 kJ L−1の熱エネルギーを蓄え、弱い圧力(60 MPa)で放出する。(東京大学と筑波大学の発表資料より)[写真拡大] 東京大学の大越慎一教授と筑波大学の所裕子准教授らの研究グループは、永続的に熱エネルギーを保存できるセラミックス“蓄熱セラミックス”という新概念の物質を発見した。 蓄熱材料には、レンガやコンクリートなどの与えられた熱がゆっくり冷める材料と、水やエチレングリコールのような固体-液体相転移の転移熱を利用する材料がある。しかし、いずれの場合も熱エネルギーを長時間保存することはできず、時間経過に伴い熱が放出されてしまう。 今回の研究では、永続的に熱エネルギーを保存できるセラミックス“蓄熱セラミックス”という新概念の物質を発見した。この物質は、チタン原子と酸素原子のみからできた