汚染された肉、特に鶏肉は、尿路感染症を引き起こす大腸菌を広めるおそれがある。畜産での抗生物質の過剰な使用も問題のひとつだ。(PHOTOGRAPH BY WILLIAM WIDMER, THE NEW YORK TIMES/REDUX) 近年、尿の通り道に起こる感染症(尿路感染症)になる人が増えている。研究によれば、世界ではここ数年、毎年4億人以上が尿路感染症にかかり、20万人以上が死亡している。尿路感染症によって失われた健康な年数(障害調整生命年、DALY)は、1990年から2019年の間に68.9%も増えた。 尿路感染症は、健康な人なら治療をしなくてもそのうちに自然に治るが、高齢者や複数の疾患を抱えている人では、抗生物質での治療が必要だ。しかし、尿路感染症を引き起こす細菌は、一般的な抗生物質への耐性を獲得しつつある。 「尿路感染症は米国の医療システムにとって非常に大きな負担となっていて、