スポーツ新聞や週刊誌で何に目を引かれるかといったら、その見出し、キャッチコピーだ。うまい言葉の組み合わせは読む者のイメージを喚起して、問題点が「分かった」ように錯覚させ、「それで、その先はどうなるんだ?」と思わせる。 政治の世界でも同じ方法が使われることがある。たとえばちょっと前に「三位一体の改革」というのがあった。地方交付税・補助金・地方税という三つの要素を同時に「えいやっ」と改革の俎板に乗せようとした。 そもそも三位一体とは、「神と子と聖霊は同義である」とするキリスト教の重要な教義。「三つまとめていっぺんにやってしまえ」ということではない。しかし、誰もが耳にはしたことがある、しかも宗教用語の厳かな言葉の力が、「三つまとめていっぺんに(実行するのが正しい)」というイメージを打ち出していたように筆者には思える。げに言葉の威力とは恐ろしい。 本書のタイトルにも取られた「霞ヶ関の埋蔵金」もヒッ
![うますぎるキャッチコピーにご用心~『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』 高橋洋一著※(評:倉都康行):日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)