「とうとうドン・ファン事件の裁判が5月10日から始まるようですよ。ここまで長かったですね」 そうなのか……。2018年5月24日に「紀州のドン・ファン」と称されていた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助氏(享年77)が自宅寝室で怪遺体となって発見された。それから約3年後の21年4月28日、元妻の早貴被告が東京・品川区内の自宅マンションで逮捕され、起訴された。 さらにそれから3年もの月日が経ってようやく初公判を迎えることになるのか――と頭の中で時系列を振り返っていると、ジャーナリストが続けた。 「今回の初公判は早貴被告が騙した男へのもので、例の殺人事件ではないんです」 「なんだ、それ? おいおい、大事なことを最初に言いなよ」 つまり早貴被告にとって本丸の殺人事件の公判ではなく、別件の公判だというのだ。 4月12日、和歌山地裁は21年に追起訴された詐欺罪の初公判を5月10日に開くと発表したが、殺人