コブハクチョウ Mute Swan ハクチョウは臨終に際して、自分の声を歌に表し、それが始めの終わりだという伝説がある。アメリカ自然史博物館(ニューヨーク)の創設者の一人・鳥類学者の D. G. エリオットは、標本にするためにハクチョウを撃った時、傷ついたそのハクチョウの声を聞いて肝をつぶした。空から舞い落ちながら、ハクチョウが歌い始めたその声は、もの悲しく音楽的で、1キロ離れた水面へ落ちるまで続いたという(ドナルト・ピーティ、1966)。 コブハクチョウはヨーロッパから中国にかけて分布する大きな鳥で、全長1.5m、翼開張は平均2.5mくらいある。1939年にイギリス、ドーセットの白鳥飼育場で Guardsman と呼ばれていたコブハクチョウは翼開張が3.7mもあったといわれる(未確認)。 コブハクチョウは飛ぶことのできる鳥の内で最も重い種の一つでもある。平均体重が12kgほどもあり、ポ