先日、新橋演舞場に歌舞伎を観に行った。お目当てはもちろん、「亀ちゃん」こと2代目市川亀治郎の、4代目市川猿之助の襲名披露だ。 テレビのワイドショーなどでは先代猿之助と、その息子で俳優として活躍する香川照之が46歳での歌舞伎挑戦を報じた。縁が途切れた親子の再会は耳目をさらったが、メーンは何といっても亀治郎の猿之助襲名だ。 襲名披露公演とあって、昼の部はチケットが取れず、夜の部のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」を観劇した。舞台に先駆けて口上を述べる4代目。そこで自身の「歌舞(かぶ)くこと」へのこだわりを熱く語っていた。「歌舞く」とはどういうことなのか。 歌舞伎の語源とされる「傾(かぶ)く」という言葉は、「常識外」「異様な風体」という意味がある。つまり、アウトローな存在だ。 4代目はこれに加えて「時代を超える人」「自分が突っ走っていて、ふと後ろを見ると時代がついてきているような人」こそ、「歌舞いて