国宝・高松塚古墳壁画の保存状態が危機的な状況にあり、発見から30年以上も経つための自然劣化ではなく、保存を担った文化庁が繰り返しミスを犯した結果と推定されるようになった。4月半ばからマスメディアが再三再四伝えた惨状から、文化庁が古墳壁画保存の専門家ではないことを国民は知ってしまった。情報公開によって明かされた作業日誌には驚くべき事柄が書かれていた。照明器具を倒すなどして壁画を何カ所も傷つけ、公表しないまま周囲の土を塗ってごまかした。2001年に石室の前まで防護服を着ない普段着の業者が入って作業し、直後に起きたカビ大発生を呼んだ疑いが濃厚になった。マニュアルには「防護服は石室内でとある」と弁解がされた後、1989年に素手で石室を開ける文化庁職員の写真が発見されては、カビ防護など最初から口で言うほどに重視していなかったと考えるしかない。 いたたまれなくなって文化庁の役人を排除した調査委員会がで