ウクライナ戦争を止めるためにはウクライナへの武器支援を強化し、ロシアを追い込まないといけない、という議論をする人は多い。しかし、ロシアとの協議の場を設定し和平に向けて道筋を描くべきだと主張する人は少ない。 ロシアが簡単に敗北するとも考えられず、戦争が続く限り民間犠牲者の数は増え続け、対ロシア制裁も強化されこそすれ、解除されることはない。エネルギーや食糧価格は上昇圧力が強く、世界経済も平時に戻ることはない。 これで中国がロシアに軍事支援を始め、中露連携が明確になり、対露だけでなく対中制裁といったことになれば、中露を中心にいわゆる「グローバルサウス」と先進民主主義国との分断は決定的となり、世界の構造が変わる。 防衛費拡大に一直線の日本 翻って日本を見れば、ロシアのウクライナへの侵攻が始まって以降、「今日のウクライナは明日の台湾」を叫び、防衛費の飛躍的拡大に向かった。 その間、日本の安全保障のあ