いい加減いい年なんだと自覚する。 昔は俺のほうが年季が長いはずなのに実年齢だけを理由に「〇〇くんは本当に凄いなあ。俺よりずっと年下なのに何でも知ってる」と言われたもんだ。 でも今はもうそういうことはない。 同じ業界の人間からは時折「くん」で呼ばれるが、それって単にこの業界に入ったばかりの頃の顔見知りが今でも同じ呼び方をしてるだけなんじゃないかとふと気づいた。 俺はもう「くん」の年齢ではないらしい。 なるほどね。 年食ってるね。 気持ちじゃまだ若干若手よりだと思ってたけど、それは単に俺がベテランを名乗ることに対して臆病なだけだったみたい。 ベテランとルーキーの中間が欲しいよね。 俺はどっちでもないから、何でもかんでも俺単体のものとして評価を受けてしまう。 「最近の若造」はも「古い時代の人は」もやってこない。 純粋に俺が個人としてやってきた評価を全部受け止めることになる。 でも世代の名前で呼ば