パソコンが知らぬ間にウイルスに感染し、外部から好き放題に乗っ取られる-。インターネット犯罪の「容疑者」として逮捕された人物は一転、「被害者」だった可能性が出てきた。ネット上の大量殺人や爆破予告の書き込みをめぐり、大阪、三重で逮捕された男性2人のパソコンから新種のなりすましウイルスが見つかり、7日、相次いで釈放されていたことが判明。急速に巧妙化する不正プログラムはなりすましを警戒した警察の目をかいくぐり、ネットの闇の向こうで、第三者が遠隔操作した疑いも浮上した。 「歩行者天国にトラックで突っ込んで無差別にひきまくります。あと、ナイフで無差別に刺します」 大阪市のホームページ(HP)に殺人予告が書き込まれたのは7月29日。大阪府警はIPアドレス(識別番号)をたどり、8月初めにはアニメ演出家、北村真咲(まさき)被告(42)のパソコンが発信源と特定していた。 だが、北村さんは「まったく身に覚えがな