バイオマス技術を使って、植物由来の原料から化学品を作る実験を進める三井化学の実験施設=千葉県茂原市の同社茂原分工場 化学大手が、石油資源を使わない素材の開発を加速させている。植物由来の原料への転換に加え、二酸化炭素(CO2)そのものを原料に使って化学品を生み出す取り組みも本格化する。いずれも実用化できれば、CO2排出量の削減が期待できるという。 三井化学茂原分工場(千葉県茂原市)の施設では昨年春から、穀物などから取り出した糖類を大腸菌の力でプラスチックの原料にかえる実験が進む。高さ1メートルほどの培養槽内に、遺伝子を組み換えた大腸菌を入れて糖類を発酵。一部の糖類からは高純度の原料を生み出せた。数年内の商業生産入りを目指す。将来は、廃糖蜜(砂糖精製後の残り液)など食べられない植物由来品を原料にする方針だ。 三井化学は、CO2そのものを原料に使う実験も加速する。水素と反応させて樹脂原料に