ブックマーク / www.aozora.gr.jp (1)

  • 田中貢太郎 蛇性の婬 雷峯怪蹟

    紀(き)の国(くに)の三輪(みわ)が崎(さき)に大宅竹助(おおやのたけすけ)と云うものがあって、海郎(あま)どもあまた養い、鰭(はた)の広物(ひろもの)、狭(さ)き物(もの)を尽して漁(すなど)り、家豊(ゆたか)に暮していたが、三人の小供があって、上の男の子は、父に代って家を治め、次は女の子で大和(やまと)の方へ嫁入し、三番目は又男の子で、それは豊雄(とよお)と云って物優しい生れであった。常に都風(みやび)たる事を好んで、過活心(わたらいごころ)がないので、家の者は学者か僧侶かにするつもりで、新宮(しんぐう)の神奴(かんぬし)安部弓麿(あべのゆみまろ)の許(もと)へ通わしてあった。 それは九月の末のことであった。豊雄は例によって師匠の許へ往(い)っていると、東南(たつみ)の空に雲が出て、雨が降って来た。そこで、豊雄は師匠の許で、傘(おおがさ)を借りてかえったが、飛鳥(あすか)神社の屋根が見

    xijiao
    xijiao 2012/08/18
    雷峰怪蹟の方、小婢が「青い上衣」を着ていると訳されているが、この「青」は黒だろう。
  • 1