山崎元著「新しい株式投資論〜合理的へそ曲がりのすすめ」を読んだ。この本は新書で出されているものの、基本的な金融理論を押さえていないと読み進めることができない。ただ、基本を押さえている中級者にとっては、新たな発見が多いだろう。 「投資バカにつける薬」の中の株式投資についての記載と大体同じだ。プロはインデックスに勝っていない、ということやテクニカル分析が無益であることなど、いつもの山崎節で、このあたりは初心者でもわりとすんなりと読める。 この本の醍醐味は投資理論について専門的に書いた第三章である。内容を簡単にまとめると以下の通り: 1. 業績を予測できるのはせいぜい2年。成長化株投資で数年後を見越して投資するのは概ね有効ではない。 2. 配当割引モデルは現在価値の考え方の基本。「益回り+名目GDP=長期金利+リスクプレミアム=株式の期待リターン」という式が成り立つ。 3. 分散投資を行なうとリ