フィンランド発の通信機器大手としていまや世界を代表するグローバル企業として知られるNOKIA(ノキア)。その成長ぶりから「北欧の巨人」とも呼ばれるノキアだが、じつは過去に倒産の危機に瀕したことがあることをご存じだろうか。そんな危機の最中にある2012年、同社のかじ取りを任されたのがリスト・シラスマ氏。一時は世界シェアの過半を誇った携帯事業を「捨てる」という決断を下すと、ノキアをそこから奇跡のV字回復へと導いていったのだ。 そんな大復活の立役者であるシラスマ氏が、このほど『NOKIA 復活の軌跡』(原題『Transforming NOKIA』)を上梓した。来日したシラスマ氏を立教大学ビジネススクール教授の田中道昭氏が直撃、瀕死の巨大企業が大復活した全舞台裏が明かされた。 破滅を待つ日々 2012年、ノキアは殺伐とした株主総会を迎えていた。同社が「北欧の巨人」と呼ばれ、「フィンランドの軌跡」「