変動の幅が大きいかどうかでは、中国、フランス、ポルトガルなどが変動的であり、ハンガリー、チェコ、アイスランドなどが停滞的となっている。 成り上がりが多い社会の上位3位は中国、キプロス、ポルトガルであり、地位下落が多い社会は、日本、アイスランド、トルコである。下落といってもマイナス超過は日本だけである。 こうした意識調査結果が、実際の社会階層の変動そのものをあらわしているとは考えにくい。日本の社会が、世界と比較して、こんなにも停滞的、階層固定的であるとも、また必ずしも前世代と比較して今の世代の仕事の内容がグレードダウンしているとも思われない。 逆に、中国はともかくとして、フランスの社会が意識と同じだけ変動的、あるいは上向的だとも思われない。移民の増加でグレードの低い仕事をフランス人はしなくなったのであろうか(回答者に移民が含まれないとして)。そうだとしても移民比率はせいぜい1割なので(図録1