宝石強盗をするために集められた素性を知らない6人の男たち。彼らの中に警察の犬(裏切り者)が居て、宝石強盗は失敗に終わる。果たして裏切り者は誰なのか…… いやはや、何度巻き戻して観ただろうか。DVDがなかった時代にVHSで購入して、テープが切れるまで観た。この映画を観たときの衝撃を未だに忘れられない。90年代を代表するという意味でタランティーノの映画では『パルプ・フィクション』が有名だろうが、やはりデビュー作である『レザボア・ドッグス(以下『レザボア』)』が彼の原点であり、低予算ながらこの時点で彼は自分のやりたいことをバッチリ成し遂げていた。 『レザボア』は一部の映画評論家の間では不評だ。「内面が描かれていない」「演出が未熟」「マニアックな会話とバイオレンスを散りばめ、過去の映画を引用しただけの映画」――――過去の映画を引用しただけの映画?過去の映画を引用しただけでは『レザボア』はとっくに廃