最近、新聞や雑誌では、「B to C(一般消費者向け)からB to Bへ(企業向け)」という表現が躍るようになった。つまり、立地(戦略市場)を転換する意味の「リ・ロケーション」が注目されているのだ。この経営戦略が成功すれば、同じ技術を活用しても、売る市場を変えることにより業績が大きく変わる可能性があるからだ。 立地については、11月7日付日本経済新聞(朝刊)で開始された神戸大学の三品和広教授の連載「事業立地の戦略論」に詳しい。より深く学びたい読者は、同連載や三品氏の著書を読まれればいいだろう。今回は、この概念をより具体化する段階に入った日本企業の動きに注目してみた。 そもそも、事業立地の重要性に気づいたのは、ハーバード・ビジネススクール(MBA=経営学修士)教授のローラン・クリステンセン氏やケネス・アンドリューズ氏であるが、どうも、最近、経営者たちから話を聞いていると、盛んに「立地転換」と