荒巻課長は電脳部下の夢を見るか――攻殻機動隊にみるHuman Resource Management:マネジメントの真髄(2/2 ページ) スタンドプレーから生じるチームワーク そもそも、荒巻は軍隊上がりであるものの、9課のメンバーを単なる駒としては扱ってはいない。それは次の台詞に代表される。 『我々の間にチームプレイなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ。』 つまりタイトルであるSTAND ALONE COMPLEX=個の複合を体現した台詞だが、それは彼自身のポリシーでもあるのだ。メンバー各人は修羅場をくぐりぬけてきた極めて能力の高いプロフェッショナルの集合体であり、一匹狼としてやっていける自負をもつ“個”なのだ。そして同時にそもそも集団で動くことを嫌う“孤”たちでもある。そういった能力は高いものの、協調性という言葉とは程遠いメンバー