人気漫画『美味(おい)しんぼ』(作・雁屋哲、画・花咲アキラ)の原発事故後の健康への影響に関する描写が、「科学的根拠が乏しく、風評被害を招きかねない」と強い批判を浴びている。波紋は今も収まる気配がない。 ◆前双葉町長も登場 問題になったのは、小学館の『ビッグコミックスピリッツ』誌4月28日発売号に掲載された「福島の真実」編22回と5月12日発売号の23回。東京電力福島第一原発の取材後、主人公の新聞記者・山岡ら登場人物が原因不明の鼻血を出したり疲労感を訴えたりし、同原発のある福島県双葉町の井戸川克隆・前町長が、「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」「(そうした症状は)被ばくしたから」と作中でコメントした。 また、被災地のガレキ処理をした大阪の焼却場では、近隣住民の目や呼吸器に症状が出ている、と岐阜県の医師が語り、福島大学の准教授が「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できない」と述