仮想通貨の根幹技術「ブロックチェーン」。金融界では低コストの決済システムをつくる仕組みとして注目されているが、農業でも活用の動きが始まっている。記録したデータの改ざんが難しいというブロックチェーンの特徴を生かし、野菜の品質証明に利用。「エシカル(倫理的)」という新たなものさしをつくり、野菜に新たな付加価値をつけようとする試みだ。 宮崎県綾町。有機農法でつくる農産物で知られる小さな町で、新たな実験が始まった。 野菜についたQRコードをスマートフォンで読み込むと、画面には写真つきで収穫日、育った畑の土壌検査の結果、使った肥料、種の購入先、生産者名、農場の場所などが絵日記のように表示される。 実験は、綾町と電通国際情報サービス(ISID、東京)が2016年10月から行っている。綾町は1988年、化学肥料や農薬を使わないことをうたう条例を全国で初めて制定。自然生態系に配慮した農業を続け、町ぐるみで