日生劇場で『テラヤマキャバレー』を見てきた。池田亮台本、デイヴィッド・ルヴォー演出で、死の直前の寺山修司の意識をめぐるお話である。 寺山修司(香取慎吾)が死亡する直前の意識の中で、いろいろな役者たちが登場して寺山に名前をつけてもらうところから始まる。寺山の芝居『手紙』をやろうとしたところ、死(凪七瑠海)が迎えにくる。死は感動する芝居を作るという約束で少し余裕の時間を寺山にくれることになる。 役者陣の演技もいいし、ヴィジュアルとか内容はよくできているように思ったのだが(序盤はちょっとこれ大丈夫なのかと思うようなところもあったが、最後まで見ればまあまとまってる)、どうも個人的にあんまり面白いと思えないところがあった。香取慎吾がめちゃくちゃかわいいのだが、どうも寺山修司というのは2024年にかわいく飼い慣らせるような劇作家ではないような気がするのである。寺山修司というのは前衛的なのに売れ筋という