2月17、18日に開催された日銀金融政策決定会合の議事要旨が23日、公表された。ただし、これは議事要旨であって、誰がどのように発言したかがわかる議事録の公表は10年後である。 2月2日発行のこのコラムで、今から10年も前の話だが、量的緩和などを先んじて主張していた中原伸之氏だけが正しい主張をしており、その他の委員はとんでもない発言をしていたことを紹介し、当時、中原氏はその他の委員や日銀事務局から異端扱いされていたことを書いた。ただ、今の委員はみんな日銀事務局と同じ意見になっている。果たして、10年後、委員全員と日銀事務局が正しかったのか、それとも全員間違っていたのか、どちらだろうか。 今回の議事要旨が面白いのは、インフレ目標(一定の物価上昇率等を目標とする政策枠組み)を議論しているからだ。「インフレ目標の採用国では、短期的な物価の動向に焦点を当てて政策を行うことの是非が国際的に話題にな