チェコスロバキア出身、現在はパリとプラハを拠点に活躍している写真家、ジョセフ・クーデルカ。この展覧会では全部で7つの章に分けて作品を紹介しています。政治的なイメージも強いクーデルカですが、実際はちょっと違います。たとえば、この「実験」という章のコーナーに並んでいるのは、舞台写真などをもとにした演劇雑誌の表紙に使われたもの。この中には暗室作業によってコントラストを強調したり、図と地を反転させたり、一度プリントした写真を角度をつけて複写したりしたものも。タイトル通り、彼がさまざまな”実験”を繰り返していたことがわかります。 クーデルカは大学卒業後、航空エンジニアとして働きながら趣味で写真を撮っていました。この写真はその頃のもの。二股になった木の間から向こうの木を撮ったスナップです。 「この頃のクーデルカは他にも、植田正治のようにシンプルな背景に人を配置した写真などを撮っています。彼自身は写真を