母の日、ひさびさに母と二人っきりで街を歩きました。デートでした。 車窓に曇天の海を流しながらドライブをして、甘いもの食べて、映画を観て、街を歩いて、お買い物して、時折おどけて腕を組んじゃったりなんかして、お肉を食べて、贈り物をして。 お喋りもたくさんしました。 朗らかで静穏な母の言葉たちは、いつも私の背筋と精神を正します。 「浄化」にも似たそれに、心を結び直される。その清澄感はとても心地よく、だからつい母と過ごす時間の永遠を願ってしまいます。 泰然とした言葉のすき間から覗き込んだ母の中にあったのは、生まれた瞬間から今日に至るまでの私の軌跡。 担任の先生に、漢字の書き順ってなんのためにあるの?と訊くと、先生は「書き順というのは、その字の一番書きやすい書き方なんだよ」と答えました。 「なら、左利き用の書き順と右利き用の書き順のふたつがないとおかしい! 左利きの子と右利きの子で書きやすさは変わる