前回紹介した竹本農場の竹本孝彰さんをはじめ、筆者が面会してきたオホーツク沿岸の農家の一人ひとりの農業への取り組みが、自給率1ポイント上昇に貢献したといえるではないか。 新聞のニュースを読みながら、農業国として自立した小清水町や清里町の風景が眼の前に展がって、わけもなく誇らしい気持ちになった。 清里町の小麦の収穫量は、2000年に7854トンだったが、2007年度は1万3374トン。ほとんど変動のない耕作面積の中で、収量はおよそ2倍に増加している。世間で公言される農業の衰退は、少なくとも、オホーツク沿岸の農業国には無縁と認識しなければならない。 データに表れた数字を見て、清里町の町長が語った言葉を思い出し、その一言ごとの確かさを改めて実感することになった。 観光でメシを食うつもりはありません 知床という大観光地を間近にしながら、「観光客の誘致は行いません」と北海道清里町の橋場博町長は静かに語