昭和30年代に新生児に深刻な薬害をもたらした「サリドマイド」について、血液がんの治療薬として販売再開を検討してきた厚生労働省の有識者検討会は18日、製造販売承認を申請している藤本製薬から出されていた安全管理策を了承した。 近く開かれる予定の厚労省の薬事・食品衛生審議会の分科会での答申をを経て、早ければ年内にも厚労相が承認する可能性が出てきた。 了承された安全管理策は藤本製薬が提案したもので、薬を使用する医師や患者などを登録制とすることや、国や過去の薬害被害者らも加わった第3者機関が順守状況をチェックすることが柱になっている。検討会では厚労省が、現行では救済制度が設けられていない、薬の副作用で死亡した胎児に対する補償を検討することを明らかにした。 サリドマイドは、日本では「イソミン」の商品名で大日本製薬(当時)が昭和33年に発売。睡眠薬や胃腸薬として、つわりに悩む妊婦などに使われた。その際、
厚生労働省薬事・食品衛生審議会の医薬品等安全対策部会を傍聴する増山ゆかりさん=同省で2008年9月30日、石井諭撮影 半世紀前に世界的な薬害禍を起こしながら、血液のがんの治療薬として3日にも承認が決まる見通しのサリドマイド。製薬会社が制作した新たな患者用の教育ビデオに、サリドマイド被害者が出演している。薬の副作用で生まれながらに両手が短い増山ゆかりさん(45)=千葉県柏市=で、承認を切望する患者のために協力を決意した。ビデオでは「悲劇を二度と繰り返さないで」と訴えている。 かつて「悪魔の薬」とまで言われたサリドマイドが、多発性骨髄腫の治療薬として脚光を浴び始めたのは00年ごろ。「あの薬が人を救うなんて信じられなかった」と増山さんは言う。 日本では、販売目的でなければ未承認薬の個人輸入や医師の処方が可能で、サリドマイドについては、既に患者団体が窓口となり輸入を始めていた。ずさんな管理や転売の
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