先日のNHKスペシャル「シリーズ認知症革命」で紹介されていたフィンガー研究(FINGER study)の内容を詳しく見てみよう。 by WHO Ministerial Conference FINGER研究は、2015年6月にLancetに掲載された認知症予防の介入研究であり、今年、最もインパクトがあったといわれている研究報告である。 認知症の予防は「認知症の前駆状態である軽度認知障害(MCI:Mild cognitive impairment)の段階で症状の進行を如何に留め、改善させるか」が鍵となる(Lindenberger U, 2015)。 しかし、MCIへの介入研究では、これまで主にネガティブな結果が報告されており(Norton S, 2014)、単一的な介入では予防効果がないことがわかっている。また、いくつかの介入研究では、運動や認知トレーニング、またはその両方を行う介入によって