30台後半を過ぎて初めて自動車免許を取得した。 今まで都心に住んでいたので交通で困ることは一切なかった。 ただ、転職のタイミングで纏まった休みができ、 これが最後のタイミングだと思い、なんとなく教習所に通い出した。 初めて運転した車はとても怖く、毎回毎回手汗でびっしょりハンドルを濡らしながら、 若々しい受講生の中でなんとなく肩身の狭さも感じながら、 取得した免許は、嬉しかったというよりもやっと取れたという開放感のほうが強かった。 でも、ようやく免許を取得できたからこそ、 それを無駄にはしたくなかった。 だから免許取得後、すぐに車を買った。 そして、時間が空けば積極的に乗った。 毎回、毎回、緊張しながら、手汗でハンドルを濡らしながら そうこうして一年ほど経って、気がつけば運転が楽しくなっていた。 程よく緊張しながら、程よく集中しながら、リラックスして運転できるようになっていた。 それは感覚と