・粘菌 その驚くべき知性 粘菌を出口に餌を置いた迷路に閉じ込めると、最短距離に近いコースで出口にいたる。繰り返すと学習する。迷いもする。単純な細胞でしかない粘菌が「司令官はなし、各人自律的に動くのみ」という自律分散モデルによって知性を持っているかのようにふるまう。 たくさんある選択肢からどの選択をすべきか。組み合わせ数爆発を招く複雑な問題に対して、生物はすべての可能性を計算して比較するわけにはいかないから、大雑把ではあるがすばやく答えを導く「フィザルムソルバー」という解法モデルをとっていると著者は指摘する。 粘菌の周りに複数の餌場を置くと、粘菌は分裂しながら移動していき、ついには複数の餌場間をつないでしまう。この粘菌が餌探しをする移動経路の評価には3つの指標があり 1 もっとも短いルートを選ぶ最短性= コスト(経済性) 2 すべての2点間の平均距離 = 効率 3 一か所が分断されてもまだつ