コンピュータのシミュレーションを活用して、モノの本質や設計の本質、設計原理をスピーディーに目に見える形で提供するCAPとは? わが国のモノづくりの現場において、機械や構造物の能力を十全に発揮させるため、その前提となる条件が幾つかある。まず当然ながら、その機械・構造物自体の性能。これが優れていなければ始まらない。そして、その安全性の保証と適性なコストももちろん重要なポイントだ。しかし、これらは多くの場合、モノづくり現場において相反する関係となるから、全てを満たすことは容易ではない。いかにして3つをバランス良く実現するかが、現場における普遍的な課題となるのである。 横浜国立大学大学院工学研究院の准教授、于強(う・きょう)博士の研究室では、このようなモノづくり現場からの要請に応えるべく、材料力学をベースとする多様なCAE技術や実験計画法などを有機的に組み合わせ、より質の高い構造信頼性技術を確立す