トヨタ自動車 常務役員の重松崇氏は,「組込みソフトウェア開発におけるトヨタ自動車の挑戦」と題した講演を「Embedded Technology 2007(組込み総合技術展)」(パシフィコ横浜,2007年11月14~16日)で行った(図1)。今回の講演は,組み込みソフトウエア開発というテーマを掲げてはいるが,実際は組み込みソフトウエア開発を含む,同社の電子技術開発全体について説明するものとなった。 中国での安全技術,まずは電気よりメカで 自動車を電子化する目的の一つに,安全技術の向上がある。同氏はまず,世界の地域ごとに,電子化による安全技術をどのように展開していくのかを述べた。同氏によると,世界の全ての地域に電子化による安全技術を搭載した自動車をすぐに投入するつもりはないという。理由として地域ごとの交通事故状況の違いを挙げ,特に中国を例にとって説明した。 交通事故件数は日米欧では減少や横ばい