モニターの輝度を適切な値まで下げて使用すると,作業後の目の疲労度が低下する——。ナナオが行った長時間のパソコン作業による眼精疲労に関する調査で,こんな結果が出た。パソコンの使用時間の増加に加え,液晶モニターの高輝度化もパソコン作業による眼精疲労の要因になっていると仮定し,独自の調査を行ったもの。モニター輝度の変更,作業中に休憩やVDT指導を加えた場合など,モニターの使用条件を変えた3つの場合を設定し,目の疲労度を測る実験を行った。なお,同社の液晶モニターの輝度は,7年前と比べて1.7倍になっているという。 目の疲労度の測定には,ものがはっきり見える一番近い距離(調節近点距離)を用いた。一般に目が疲れると,ピント調節力の低下により,調節近点距離が遠くなるためである。1日のパソコンの作業前と作業後の調節近点距離の延長率を疲労度の尺度とした。調査におけるパソコンの作業には,同社の液晶モニター「F