アニメビジネスの今 今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。 『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』など、多くの国民的映画を生み出してきたスタジオジブリ(以下、ジブリ)。前回の記事では、宮崎駿監督作品が1作平均興行収入100億円超という驚くべき数字を叩き出すことによって、劇場オリジナルアニメ中心のビジネスモデルが成立してきたことを解説した。 →「なぜジブリは国民的映画を創り続けるのか」 ところが今、このジブリを支え続けてきたビジネスモデルが転換期を迎えているように見える。次表はジブリ作品の興行収入の推移だが、『千と千尋の神隠し』以降、興行収入
「アニメビジネスの今」とは 今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。 「初回の原稿はスタジオジブリ(以下、ジブリ)について」という編集からのお達しに頭を抱えた。今や、国民的映画となったジブリ作品。それについて語るのは、あまりにも荷が重い。とはいえ、アニメ産業を語る上でその存在を無視することができないのも確かだ。 ということで、2011年の『コクリコ坂から』と2012年公開予定の宮崎駿、高畑勲作品の狭間にある2012年現在のジブリの状況について今回は述べてみたい。 唯一無比のビジネスモデル ジブリとはどういう存在なのか。アニメという枠を超えた社
ジブリは決して続編を作らない有名ゲームスタジオのようなもの――スタジオジブリに入社したドワンゴの川上量生氏が見た,国内最高峰のコンテンツ制作の現場とは 副編集長:TAITAI カメラマン:田井中純平 1234→ 川上量生氏といえば,あのニコニコ動画を運営するドワンゴ(正確には,運営は子会社のニワンゴ)の代表取締役会長として知られる人物である。 スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが書いた川上量生氏の似顔絵 以前,4Gamerでもインタビューをしたことがある同氏だが,その明瞭かつ論理的な思考力と,どこか捉えどころのない考え方は非常にユニーク。「なるほど。この人にして,ニコニコ動画あり」と思わせるほど,その発想は独創的だ。 そんな川上氏だが,なんとドワンゴの代表取締役会長という肩書きを持ちながらも,あの宮崎 駿&鈴木敏夫らが率いるスタジオジブリに“カバン持ち”として入社したのだという。 着メ
西村 ジブリ作品ではいわゆるアニメの声優さんではない女優さんや俳優さんが声の出演をしていますよね。『となりのトトロ』のお父さん役の糸井重里さん、『耳をすませば』のお父さん役の立花隆さんなど。 鈴木 さっき(前編)のことと関係あるのですが、ジブリでは衣食住を中心に描くわけなので、日常芝居が多いんです。そうすると、芝居も大げさだと困るんです。普通の芝居ができる人でないといけない。声優さんの芝居は、ハレ(非日常)とケ(日常)で言うとハレなんです。僕らが欲しいのはケなんですよ。 例えば、『となりのトトロ』のお父さんはなぜ糸井重里さんなのか。僕は『となりのトトロ』のお父さんは、ちゃんとしたお父さんではないと思った。自分の研究に没頭して、家のことはあまりやっていませんから。 昔のちゃんとしたお父さんなら、威厳がある重厚な役者が欲しいんです。糸井重里さんは威厳がないですよね。それが欲しかったんです。お父
西村 まず初歩的な質問で申しわけないのですが、鈴木さんはプロデューサーとしてどのような仕事をされているのでしょうか? 鈴木 最初は企画ですね。何をやるか。これを主に宮崎駿と話し合って決まったら、次は誰をメインスタッフにするかを決めます。ここはとても大事です。というのは、同じ企画をやるにしても、スタッフによって期間と予算が変わってくるんです。 「どんなスタッフが有能か?」についてはいろんな観点があると思いますが、有能な人ほど時間とお金を使うのが得意であるとは言えます。無能だとお金を使わないんです。だから、あっという間に作りたい時は、才能がない人を選ぶのがいいんです。才能がないと、どこにお金を使ったらいいか分からないですからね。 僕はよくそういうことを言うのですが、その点から見ると映画は2種類しかありません。映画にはストーリーが伴うわけですが、ストーリーが単純で表現が複雑という作品はお金がかか
スタジオジブリ新スタジオ “西ジブリ”設立について 2009.03.02 スタジオジブリは、本年4月より新スタジオ“西ジブリ”を開設することになりましたので、ここにお知らせいたします。 スタジオの場所は、これまでも一部で報道されておりますように、愛知県豊田市です。ただし自前の建物を調達するのではなく、トヨタ自動車本社内の建物の一部屋を賃借し、開設いたします。その中には、新人アニメーターと指導者的立場のアニメーター、合わせて30名弱が2年間の期限付きで常駐し、アニメーターの育成と三鷹の森ジブリ美術館で上映する短編映画の制作を目指します。もちろん、宮崎駿監督を初めとする本社スタッフも定期的に通い、指導に当たることになります。これは、もちろん、トヨタ自動車さんの全面的な理解と協力があってのものです。 自動車会社の建物の中でアニメーションを制作する。この一見、無謀とも思える発想が生まれた経緯は20
スタジオジブリは2009年3月卒業見込みを対象としたアニメーターの募集を行っている。 募集要項によると、契約形態は契約社員とされており、契約期間は2009年4月からの2年間となっている。初任給は月給16万7千円とされている。 これまで、スタジオジブリでは、不定期に研修生を募集していた。選考通過後に研修生として採用され、期間中に報酬は支払われ、その後正式に採用される。今回のように、選考後すぐに契約社員として月給や賞与が得られるのは珍しい仕組みとなっている。 アニメ制作会社には新人に最低賃金を保障しているスタジオもあるが、そのなかでも月額16万7千円は高いクラスといえる。 募集数は若干名とされているが、一方で7月28日付の日本経済新聞夕刊のインタビューでは宮崎駿監督は「思い切って新人養成に踏み切る。20人位採用してこちらもそれなりの覚悟を固めて待遇する」と語っているため、具体的な人数につ
速水もこみちさんと志田未来さんらが4日、ドラマ「ハンマーセッション!」(TBS系)の制作会見に登場。速水さんは役作りのため体重を12キロ減らしたことを明かし、志田さんに「どうですか? 僕の裸は」と質問。志田さんは「毎回聞かれるんですけど、答えようがないじゃないですか」と恥ずかしがった。 「ハンマーセッション!」は、護送車から逃亡した天才詐欺師・音羽4号(速水さん)が、蜂須賀悟郎という名の教師にな...
鈴木 敏夫(すずき としお) 1948年生まれ。慶応大学文学部卒業後、徳間書店に入社。雑誌「月刊アニメージュ」編集長を経て、85年、スタジオジブリ設立に参加。数々のジブリ作品でプロデューサーを務める 宮崎駿監督が新作「崖の上のポニョ」(来年夏公開予定)を制作中であることが3月19日、東宝から発表された。 「ゲド戦記」(宮崎吾朗監督)発表時と同じく、鈴木敏夫プロデューサーに「世界一早いインタビュー」を申し込んだが、返ってきた答えは「二番煎じはよくない」だった。そんな中、「ポニョ」創作の過程を追ったNHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」(3月27日放送)を見た記者は、登場キャラクターなどが次々と紹介されていく様子に、前作「ハウルの動く城」とは違う印象を受けた。「ハウル」は公開前までベールに包まれており、大量宣伝のあとに「確認」するだけだった映画鑑賞を、原点に引き戻した作
スタジオジブリ次回作「崖の上のポニョ」が発表になりました。 2007.03.19 本日夕方から報道されておりますように、スタジオジブリおよび配給元の東宝(株)は、スタジオジブリが現在制作している作品のタイトルが、「崖の上のポニョ」であることを発表いたしました。 これまで、ジブリの公式サイトでは、「次回作○○○」とだけ表記してまいりましたが、今後は、「崖の上のポニョ」もしくは「ポニョ」として、明記してまいります。 公開までは、まだまだ時間がありますが、制作の過程はこの場を通じて少しずつ皆さんにお届けしてまいりますので、今後ともスタジオジブリの応援をよろしくお願いいたします。 ~作品概要~ タイトル 「崖の上のポニョ」 原作・脚本・監督 宮崎 駿 音楽 久石 譲 プロデューサー 鈴木 敏夫 制作 スタジオジブリ 公開 2008年
この映画について書くよう促しをいただいて「近いうちに」と答えておきながら、やたらと時間が経ってしまったが、たいしたことも書けない。その間下書きをしてきたわけでもない。とりとめもなく書いてみたい。書き落としもあるだろうが、そのうちまた補う機会もあると思う。 1 映画など基本的には好き嫌いですませてしまってもよいと思うし、何か論争に加わるほどのこともない。ただ作品が伝えるメッセージが「悪い」場合や何か弊害を感じる場合には、夏のひこうき雲 - 映画「ミリオンダラー・ベイビー」はよくできたダメな映画だと思うのような記事も書いたりする。が、映画「ゲド戦記」についてはとくに何か「悪い」メッセージは感じなかった。映画から伝わるメッセージそのものにはこの記事ではほとんど触れないが、共感した。 あれこれホットな話題になっていたのは何故かといぶかしく思っていてふと思ったのだけれど、宮崎吾朗監督が宮崎駿監督の息
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く