豊かな自然と美しい景観、自動車開発の現場-。東京に集中するアニメ制作会社に、地方に拠点を置く動きが広がっている。東京とは違う周辺環境が人材の育成、作品づくり、さらには地域経済にもプラス効果をもたらし始めている。 徳島市中心部、眉山(びざん)のふもとを流れる川沿いに立つビル。4月、川と市街が一望できる4階フロアに、アニメ映画「空(から)の境界」を手掛けるユーフォーテーブルが新スタジオを開設。9人の新人が原画に沿って線を描く研修を始めた。 同社の近藤光社長は「この仕事はスタッフのモチベーションによるところが大きく、良い作品づくりには良い環境づくりが大切だ」と、地方進出の目的が人材育成である点を強調する。 近藤社長は沖縄なども検討したが、出身地、徳島の知人から「活性化のため来てほしい」との声があり「少しでも役に立てるなら」と考えた。 宮崎駿監督の作品で知られるスタジオジブリも4月、愛知県