(前回「『迷い道くねくね』がロングランへの“近道”かも」から読む) ――“「どこが売りか」を一行で伝える”ことに誰もが熱心な中、面白さには「わかりにくいもの」が欠かせない、という岡村天斎監督。「DARKER THAN BLACK」シリーズでは、謎を散りばめて視聴者を「迷い道」に誘い込むという手法をとったというお話でした。しかし迷い道は、まず誘い込む最初のところが難しいと思うのですが、その辺りはいかがでしたか。 岡村 オリジナル企画ということもあって、まだ作品世界が浸透していない段階では、ちょっと大変でしたね。特に第1期のときは試行錯誤でした。 僕は「探偵物語」みたいに、前編後編の2話完結の読み切り形式でやっていこうと思ったんです。ひとつひとつの話に関連性はあまりなくて、え、これでストーリーとして繋がっているの? くらいな感じで、主人公のことも世界のこともあまりわからないままにしておく。第3