森林の崩壊―国土をめぐる負の連鎖 (新潮新書) 作者: 白井裕子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/01/01メディア: 新書購入: 7人 クリック: 63回この商品を含むブログ (12件) を見る言いたいことはわかる。しかし本書を一読すると、どうにもお行儀が良すぎる気がしてしまう。本書はタイトルである森林の問題だけでなく、伝統木造建築の問題にも触れている好著だ。このままでは日本の森も木造建築も滅びるという警告の書だ。しかし、テレビという見世物小屋で、激しい言葉を使ってお役人を糾弾するコメンテーターに馴れてしまった読者としては、なんとも心もとない告発の書に見えるのだ。 日本の林業作業者は5万人だとのことだが、1年に50人が作業中に命を落とすという。1年間に1000人に1人が死ぬ職場だ。にもかかわらず、現場を司るのは累積的に複雑化した補助金制度を知るごく僅かな人々だという。この補助