[Part2] 労使の深い溝 「沈まぬ太陽」はどこまで本当か 「闇資金捻出に使われたダンボール入りCF券」 「政界との癒着が育てた利権に群がるハイエナ」 87年当時の「乗員新聞」の復刻版 87年6月17日付の「乗員新聞」の見出しである。パイロットたちの集まりである日本航空乗員組合の新聞だ。 CF券とは、カスタマーズフェアという名前の割引券。系列会社を通じて売りさばき、闇資金を捻出、政界対策などにあてた疑惑を追及している。 似たような記述は、山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」にも出てくる。JALをモデルとした「国民航空」は、運輸省航空局の課長がつきあう銀座のホステスが住むためのマンションまで借りることになっている。 山崎は小説の中で「多数の関係者を取材したもので、登場人物、各機関・組織なども事実に基き、小説的に再構築した」との注釈を入れた。 山崎が小説を週刊新潮に連載したのは95~99年。単行本・