今回の金融論で驚いたのは、履修者の半分以上、理系(工学部や理学部など)の学生であったことです。工学部や理学部にいてなぜ私の講義に行きついたのかわからないですが、私の実感では昔も今も、理系の学生にとって金融機関は魅力的な受け皿です。 たしかに博士課程に進んで、学者になるという人生は魅力的ですが、特に理系はそのポストが少なく、職を得られないというリスクもあります。そのような中、メーカーに行くのに比べて相対的に高い給与が得られ、数理的な力も使うことができる余地が多いという意味で、金融機関は理系の学生が今でも選択され続けているとおもいます。私が入社した時のリサーチ同期(10名弱)でいえば、私ともう一人以外は、理系出身者でした(そのうち3名はphD)。 理系で金融機関に行くと、数理的な能力をダイレクトに生かすクオンツあるいはアクチュアリーなどと呼ばれる仕事に就くように思われるかもしれませんが、実際に