ブックマーク / d.hatena.ne.jp/harutabe (7)

  • 同人誌を作りたかった - 春巻たべた

    11/18(日)、第十五回文学フリマに参加します 参加メンバーはこちらを参照ください。ご覧の通りの超豪華メンバー、全324ページの大ボリュームで、価格は500円と、まさに「はてな文壇の完全総決算」たるにふさわしい空前絶後の内容に仕上がりました。なお、id:harutabeは原稿を落としたので、既発表作(「望郷軌道」)の再録になります。 同人誌を作りました かつてこの国は同人誌の国であったが、四半世紀前に海を越えて伝来したインターネットの暴威は土着の同人誌信仰を徹底的に駆逐し、同人誌が担った機能すなわち在野遺賢の無秩序な混淆および戦場仏教の広範な発信は完全にインターネットに代替されてしまった。現代におけるインターネットは、かつての同人誌の百万倍の効率で無差別に交流と発信を供給する。インターネットは広く深い。この時代において紙の同人誌を作り、あまつさえ手渡しで売ろうなどと企てるのは、精々が時代

    yag_ays
    yag_ays 2012/11/14
  • 父に - 春巻たべた

    それで、これらの人たちが真に人格的に結合し、堅き協同精神をもって、思う存分、技術・能力を発揮できるような状態に置くことができたら、たとえその人員はわずかで、その施設は乏しくとも、その運営はいかに楽しきものであり、その成果はいかに大であるかを考え、この理想を実現できる構想を種々心の中に描いてきた。(中略)各人は、その規模がいかに小さくとも、その人的結合の緊密さと確固たる技術をもって行えば、いかなる荒波をも押し切れる自信と大きな希望を持って出発した。斯様(かよう)な小さな規模で出発した所以(ゆえん)は、この国家的大転換期における社会情勢の見透しができず、また、われわれの仕事が社会に理解され利用価値を見出されるまでには、相当の期間を要すると考えたからである。しかるに、実際に動き出してみると、われわれの持つような技術精神や経営方針が、いかに現下の日にとって緊急欠くべからざる存在であったかを、各方

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    yag_ays 2012/06/23
  • Make Me Believe - 春巻たべた

    ぼくの父は夕張の生まれでね。夕張ってわかるかな。北海道の、メロンで有名な。そう、何年か前に財政破綻した、あの夕張市。学校で習ったかもしれないけど、昔は炭鉱の町だったんだ。昔ったって戦前じゃないよ。父が子供の頃の話だから、だいたい50年前になるね。え、うわ、1960年ってもう50年前なのか。なんかショッキングだな。 祖父は炭鉱で働いていた。肺を悪くして早くに死んでしまったそうで、ぼくは会ったことはないのだけれど、厳しい人だったと祖母に聞いた。鉱夫には珍しく酒も博打もやらず、懸命に働いて父を大学に行かせたそうだ。祖母はいつもそれを自慢気に話してくれたよ。おじいちゃんはお父さんを大学に行かせたのよ、って。小さい頃のぼくにはなんのこっちゃだったね、正直なところ。もちろん、良い話なんだろうな、とは思っていたよ。二宮尊徳とか野口英世とかみたいなね。父も笑って聞いてたし。ただ、母が言うには、父は当は文

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    yag_ays 2012/05/27
  • 【ネタバレ】Journey/風ノ旅ビト - 春巻たべた

    すごい気持ちよかった! PS3で「風の旅ビト」(原題:Journey)を遊びました。製作は『flOw』や『Flowery』のthatgamecompany。全世界で売れまくってるらしいので、既にチェックした方も多いと思います。お値段は1200円、プレイ時間は3時間くらいかな? すぐ終わります。宗教的要素がかなり強くて、悪く言えばすこし説教臭い。 ストーリーは夢の中というか、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の共感ボックスとか「スター・ウィルス」のレンズみたいな感じ。なんの説明もなくいきなり始まって、はるか遠くに見える山を目指してひたすら歩いてゆく。グラフィックは砂の表現が出色の出来で、カメラを煽り気味にすると砂の一粒一粒が陽光にきらめいて、砂時計の中を歩いているかのよう。砂以外、キャラクターとか建物とかの表現は別に普通というか、まあ綺麗だね、程度。 プレイヤーキャラクターはほとんど何の

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    yag_ays 2012/05/11
  • 先輩と僕とスパイ映画 - 春巻たべた

    日曜日。朝飯って軽く掃除した後アマガミを始めたら先輩に物凄い勢いで妨害された。昨晩は水泳部にアタックする俺の隣でケラケラ笑いながらそこだ、とかいったれ、とか騒いでいたのによくわからない人だ。「花見でも行きますか?桜まつり」「嫌よ。子供がうるさいし」「じゃあ映画ですかね。僕ウォッチメン見たかったんですよ」「わたしウォッチメンは一人で見たいから」「傷つくなあ・・・。今って他に何やってるんだろ。レッドクリフ?」「まあ映画ってのは悪くないわね。着替えてくる」せっかくだから、と海老名まで出張ることになった。「急にあったかくなりましたねぇ」「でも四月頭にしてはちょっと寒くない?」「毎年こんなもんですよ」「早く夏になんないかなぁ」「しかし先輩、そんなガーリーなコート持ってたんですね」「なァにがガーリーだよこの変態が!」「痛い!」なんか知らんがやたら上機嫌である。「海老名のシネコンって東宝とワーナーの二

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    yag_ays 2012/01/01
  • なぜ不倫をしてはいけないのですか? - 春巻たべた

    なぜ人を殺してはいけないのか、というのがあったけれども、突き詰めてゆけば、殺してはいけない理由なんてものは、ない。別に殺したっていいのだ。ただしペナルティがある、というだけ。殺したっていい、というのは、殺しても無罪放免、という意味ではない。社会は殺人を望まない。「きみが人を殺すなら、我々はきみを殺す。」それが社会の、あるいはぼくたちの、メッセージだ。不倫というやつも、あれに似ている。 配偶者以外と恋愛する行為をぼくたちは不倫と呼んでいる。人倫に悖る行為、という意味だ。不倫だの不貞だの不義密通だの、たかが自由恋愛くらいで大層な言い草もあったものだと思う。突き詰めれば、人と寝てはいけない理由などない。姦通を禁じているのは、単に体制側の管理の都合でしかない。風紀紊乱。善良な風俗。大きなお世話だと思う。俺が誰とセックスしようと俺の勝手だろう。なんでお上にとやかく言われなきゃいかんのだ。 だのに、

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    yag_ays 2011/11/13
  • 瓦午後犬初夏未満 - 春巻たべた

    七月の午後、いったい何を思ったのか、あなたは冷房を切って窓を開け放ってみる。熱風じみた外気を期待して。でも、その期待は裏切られる。冷房で冷えた体には吹き込んでくる外気は暑いというよりもむしろ暖かで、あなたは少し残念に思いながらも、なに、こんなものは一時のことだ、すぐに暑くて暑くて仕方なくなる、冷房をつけずには一分だって居れなくなる、と、その場に座り込んで空を眺める。見上げた空は七月の空、夏の終わりの空に似て青は薄く雲は高く、カーテンをひるがえす西風も秋風のようだ。そのまましばらく空を見上げていたあなたは、あきれたことに、屋根に登ってみようかと思う。 ベランダに出て、手すりの上に立ち上がったらば、もう屋根には手が届く。物干し竿を掛ける場所に手を掛ければ、簡単に屋根の上まで行けそうに見える。ベランダの骨組みはところどころ錆びて、体重を預けるには少し不安にも思えるけれど、毎日ここに重い布団を掛け

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    yag_ays 2011/07/11
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