ブックマーク / pentaro-2.hatenadiary.org (7)

  • 研究、やめました - Pentaroの日記

    なかなか踏ん切りがつかず、この年までズルズルと研究業界にしがみついてきましたが、ついにこの春に研究職を離れました。 理由はいろいろあるのですが、やはり年々低下する意欲と厳しくなる経済状況、そしてもうそろそろポジションを得ることが現実的に難しいと判断したからです。 研究者として私の最後の数年は抜け殻のようなものでした。 常に任期更新の有無に気をもみ、公募に落ちるたびに、今こうしてやっている目の前の実験や申請書書きになんの意味があるのか、と自問自答する日々の中、新たな技術や別分野の勉強をする意欲はどんどん失せていきました。 ただ、実験をこなす、ただ、データをまとめる。そこに、かつて自分が見出していた知的興奮などはありません。当に、ただの抜け殻でした。 そんな能力も実績も成長意欲もない人間がいつまでも業界に残れるほど甘い世界ではないことも承知しています。また、そんな人間がなにかの間違いで限られ

    研究、やめました - Pentaroの日記
    yag_ays
    yag_ays 2018/10/30
  • 情熱が消えるとき - Pentaroの日記

    数少ない大学の同期でアカデミアへ進んだ友人が、アカデミアを去った。 稀代の天才、とまではいかないものの、真摯に実験に取り組み、着々と手堅いいい仕事を論文として世に出して行く切れ者だった。何より彼には研究に対する人一倍の情熱があった。「俺は今、これを知りたいんだ!」と合うたびに現在のテーマについて嬉々として語る彼に、僕は憧れもしたし、こいつとポストを争うのか、という絶望感すら覚えたものだ。 実際、彼の経歴も業績も常に輝かしかった。 学生時代から頭角を現し、滞りなく学位を取ると、颯爽と海外に留学して帰国と同時に某旧帝大にポストを得た。絵に描いたような経歴だった。 研究者としてのみならず、性格も温厚で闊達、おまけに面倒見も良いことで知られた彼は、当然のごとく周りからも祝福され、「彼ならいい先生、いい研究者になるよ」と誰もが彼の未来を信じて疑わなかった。 しかし、今思えば、その頃から彼と会った時に

    情熱が消えるとき - Pentaroの日記
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    yag_ays 2015/04/14
  • こうはなりたくない PI チェックリスト - Pentaroの日記

    □ 院生・PDに物事を頼むときは命令口調だ □ 自分の行いは頻繁に棚にあげる □ ラボのOB/OG が遊びに来ることなんてない □ 面と向かって院生やPDが自分に意見することはない □ 自分の経験談はみんな聞きたがるだろう □ 自分が一次会で帰ると、二次会は盛り上がるようだ □ 院生やPDが参加する学会は自分が決める 話す内容も自分が決める □ 院生やPDが自発的に学会に参加するなんてもってのほか □ 「いつでもディスカッションに来い」と言っても一向に誰も来ない □ 自分に非があっても相手が目下の院生・PDならきちんと謝罪をしない □ 院生部屋を訪れると、とたんに静かになる □ ラボに来なくなる院生やPDが多い □ になる方が悪い、と思う □ サイエンスにサティスファイしていないからだ □ 学生を見ていると「そんなことも知らないのか」と自分とのレベルの違いを感じる □ 院生・PDの人柄に

    こうはなりたくない PI チェックリスト - Pentaroの日記
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    yag_ays 2013/11/07
  • ランナーを出してもホームに還さないと意味がない - Pentaroの日記

    的に実験生物学の世界では、データがなければ論文は書けない。 いや、生命科学に限らず、実験ベースの分野ならどこでもだいたい一緒だろう。総説やプロポーザル論文以外の原著論文は、普通何らかの実験データを含んでいるものである。 だからこそPDは朝から晩まで実験に明け暮れ、データを出すことに心血を注ぎ、それを至上の喜びとしている。ところが、一定の数の研究者がはまってしまう落とし穴が存在する、それが「データを論文にしない」というものである。 いいデータを出し、学会発表もした。聴衆の反応も上々で、成果は十分。あとは論文としてまとめるだけ。・・・しかし、この段階で歩みを止めてしまう研究者は一定割合で存在する。いわゆる「実験は出来るけど論文は書けない」というタイプの研究者である。 これは言うまでもなく非常に勿体無い。「データが出た」と言うのは、野球に喩えるなら「ランナーが出た」に過ぎない。論文を出すとい

    ランナーを出してもホームに還さないと意味がない - Pentaroの日記
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    yag_ays 2013/11/03
  • 精神衛生管理に関連した昔話(後編) - Pentaroの日記

    精神衛生管理に関連した昔話(前編) こうして、精神を病んでしまった僕であったが、幸いにも「まだ動けるうちに」メンタルクリニックに行く事が出来た。そのためこの人生で最も辛い2日間を乗り切ることが出来た。また、その後も定期的に心療を行うことで(大小の波はあるにしろ)なんとかをコントロールしながら研究生活を送ることが出来た。その経験談というか、ちょっとしたコツを少しばかりだが、書き連ねてみようと思う。 (なお余談だが、上記の「まだ動けるうちに」というのはどういうことかというと、健康な方はにわかに信じがたいだろうが、が悪化してくると、当にまともに動くことさえ満足に出来なくなる。「家の目の前のポストまで郵便を出しに行くことさえ出来なくなるんだぜ?」という同じくを患った友人の話は決して誇張された表現ではない。) 1.理解者を作る 残念ながら、当時のPIは「」に対して全く正しい知識は持っていな

    精神衛生管理に関連した昔話(後編) - Pentaroの日記
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    yag_ays 2013/10/11
  • 精神衛生管理に関連した昔話(前編) - Pentaroの日記

    心のうちを吐露するだけのこのブログなのだが、突然急激にアクセス数が増えた。何かと思えばTwitterで言及されたらしい。この異常な増え方から察するに、大勢の方の目に触れる場所に上がったのだろう。こんな駄文を読んでも糧にはなるまいが、一握の共感でも得られれば甲斐があるというものである。 どうやら言及されたのは精神衛生管理についてのエントリーのようだ。 やはり僕と同じように思っている方も多いようだ。 - どうやって精神衛生を管理するかも近々述べたいが、 まずは僕が精神衛生管理を重視するようになったことに関連して、少しだけ昔話をしようと思う。 あれはもう○○年前になるが、僕は修士から新しいラボに移った。 卒論研究で真似事程度には実験をしていたとは言え、新しいラボ(それも知名度はそれまでの弱小ラボとは比べ物にならない)でのスタートに際して不安が多いのは当然であった。 だが、当時の僕は燃えていた。が

    精神衛生管理に関連した昔話(前編) - Pentaroの日記
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    yag_ays 2013/10/11
  • ダメな同僚 - Pentaroの日記

    学会シーズンということもあり3ヶ月も空いてしまった。 先日学会で久しぶりにかつての同僚だったPDを見かけた。 少しばかり思い出すところがあったので、その話をしようかと思う。 - - - - - - 彼と同じラボで仕事をしたのは数年前の1年間ほど。 ラボからPDの急募が出たときに応募してきたのが彼だった。 人当たりは悪くなく、一通り専門技術は身に付けている。業績欄こそやや寂しい印象があったものの、当時のボスはそれほど悩むことなく彼を採用し、中規模のプロジェクトを彼に任せた。 だが、ラボに在籍していた1年間、彼はほとんどデータを出さなかった。実験作業自体は(熱心とは言いがたいが)やっているものの、研究の目的を理解していないのは明白で、全くの見当違いなことを繰り返してはサンプルも試薬も無駄に浪費していた。ボスはしばらくは彼の能力の低さに気付いていなかったが、定期報告会で彼が全く意味のあるデータを

    ダメな同僚 - Pentaroの日記
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    yag_ays 2013/10/11
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