NHK『人形劇 三国志』『平家物語』の人形製作で知られ、日本を代表する人形アニメ監督として活躍した人形美術家・川本喜八郎氏(1925~2010年)。その氏が残した人形の数々を展示しているのが、長野県にある「飯田市川本喜八郎人形美術館」だ。 長野県飯田市。信州のいちばん南の方にあり、かつて飯田藩5万石の城下町として栄えたころの面影をのこす緑豊かな都市だ。 山間部という環境のためか、他ではあまり見られなくなった伝統芸能が大切にされている。江戸時代から続く人形芝居が盛んで、毎年8月に開催される「いいだ人形劇フェスタ」は今年で35回目を数えるという。 「飯田市川本喜八郎人形美術館」は、街の中心部を通る「りんご並木」のすぐ横に建っている。喜八郎氏が存命中の2007年にオープンして以来、「人形劇のまち飯田」の拠点施設として愛され続ける施設だ。スマートかつ重厚な外観が印象深い。 もともと喜八郎氏と飯田は