前回は変革に付きものである「抵抗のメカニズム」について解説した。今回はまず「隠れた抵抗」の対処方法を紹介しよう。隠れた抵抗は分かりにくいが、これを見逃すと、プロジェクトは「ちゃぶ台返し」を食らうことになる ごく一部のメンバーだけでプロジェクトを立ち上げ、プロジェクトの狙いやゴールについて議論したときのこと。その後、本格的に現状調査を始めようという段階での出来事だ。プロジェクトに新たなコアメンバーのAさんが参画してきた。現状調査を進めるうえで重要なキーパーソンだった。 Aさんにお会いし、プロジェクトの目的や進め方を時間をかけて説明した。その席でAさんはこんなことを言っていた。 「うん、まあ、いいんじゃない? でも少しだけ…。まあ、いいのか。うん、いいですよ。頑張ってやっていきましょう!」 Aさんは少し引っかかるところがありそうだった が、私たちが丁寧な説明をしたかいもあって、納得してくれたよ