街で綺麗な女性を見たときに胸の奥から沸いてくる或る思いは、人間が太陽系外へ飛ばした探査機を見つけた地球外生命体が抱くそれに近いのではないだろうか。少しでも想像力のある人なら、程度や頻度の差はあれど僕や地球外生命体と同様の思いをしたことがあるのではないだろうか。今、僕はJR藤沢駅南口のミスタードーナツの二階にいる。僕はそんな想いで身体中を鎖で縛られたような感覚のなかで読めない英字新聞をテーブルに広げ、ノートパソコンを叩いている。擬装だ。実際の僕は窓際に座る女子高生三人組を見つめている。慎重に、悟られないように、スナイプ。そして、或る想いに打ちのめされる。それは悲しみに近い。 僕が生まれた70年代にアメリカが打ち上げた惑星探査機の幾つかは太陽系の外へと飛び出していった。ボイジャー、パイオニア。なかでも交信が途絶え運用が終わったパイオニア10号、広大な宇宙空間を航行する彼の孤独を思わずにいられな
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