「つまり、お前たちはドレプロを裏切ると。そういうワケだな?」 御徒町は唇を噛んだ。 言いたい事はある。 しかし今の状況では何を言っても言い訳になってしまう。 それならば自分の思いごと全てを飲み込んでしまう方が良いときもあるのだ。 初華には事前に「何もしゃべらず黙って謝れ」と言い含めてある。 きちんと言い付けを守っている初華は、御徒町の隣で悔しさに身を震わせていた。 「・・・そういうことに、なります。常務、申し訳ありません」 恩義を感じていないわけでは無い。 いや、むしろ今まで随分と世話になった。 しかしそれを仇で返すことになる。 だが会社の方針である『初華を4人組でデビューさせる』ということに同意できない以上、この選択肢以外には無い。 とは言え、御徒町がやろうとしていることは、現在の勤め先から商品を掻っ攫って競合他社へ駆け込むという行為に他ならない。 「お前のことだ、もう引き止めても無駄な