この9月14日、「2030年代に原発をゼロにする」という方針を打ち出した「革新的エネルギー・環境戦略」が発表されました。この戦略の中では、日本にとって悲願だった「もんじゅ」――高速増殖炉の実用化断念も盛り込まれています。仮にもんじゅをなくしたら、日本はどう変わるのか。原子力政策の今を紐解きます。 ◆原発ゼロ政策、なぜ骨抜きになったのか ――内閣府のエネルギー・環境会議は9月14日、「2030年代に原発を稼働ゼロにする」という方針を打ち出しました。「革新的エネルギー・環境戦略」という今後のエネルギー・環境政策に関する戦略の中で発表されたものです。 原発に依存しない社会の実現に向け、何を行っていくか――この戦略の中では「先行して行う対策」のひとつとして、高速増殖炉「もんじゅ」[*1] に関する項目が挙がっています。 いわく、「高速増殖炉開発の成果の取りまとめ、廃棄物の減容及び有害度の低減等を目