「自分の脳ミソの中に釣り糸を垂らしているようなもんだから。もともと何もないのに、ただむなしく釣り堀に釣り糸を垂らしているんじゃないかという恐怖はいつだってある。それはおれの意識の領域じゃないところで決まるんだもん。アイデアじゃないんだよ。アイデアを出すだけでいいんだったら、本当に楽な商売だよ。幾らでも出せるよ、何十通りも。こういう出し方もある、ああいう出し方もある…とか、映像的にこっちのほうがパンチ効いているぜ!とかね。でも、違うんだよね。自分でも分からないけど、なんとなくおぼろげにあそこのゴールに行きたいなと思いながらつくっているわけだけど、ゴールに行く道筋がわからないんですよ。」 「人間は論理だもん。これはしっぽをすぐ捕まれてしまうんです。しっぽを捕まれるとつまんないんですよ。『あ、分かった。おれそうじゃないかと思ってたんだ』とか言われてしまうし。できたら、ぼう然とするようなものにした