私が最近、廃道と共に非常に“入れ込んでいる”のが、「未成道路」というジャンルである。 未成、すなわち本来の目的を果たしていない未開通の道路のことである。 部分的に開通しているものも、建設途中に中止されたものも、実際に着工はしておらず図面や計画だけのものも、晴れて開通するまでは全て未成道路の括りである。 ただし、盛んに工事が進められている最中のものは含まない。 今回、読者から寄せられた情報を元に、山梨県都留市の山間にあるという未成道路を訪ねた。 そこには、情報無くしては決して訪れることもなかっただろう地味めで静かなトンネルが、しっかり口を開けて待っていた。 未成道路ならではの不条理なムードを、たっぷり詰め込んで。 【mapion 周辺図】 現場は、都留市の中心部から西へ2.5kmほど入った加畑(かはた)にある。 未成道路であるが、既成部分が地形図に描かれており、地図読み全長は1kmほど。 加