卒論ゼミ 第1ラウンド050526 CI(コーポレート・アイデンティティ)の変遷 工藤 彩子 はじめに 私がCI(コーポレート・アイデンティティ)に興味を持ったのは、レイモンド・ローウィというデザイナーの展示会を見に行ったことがきっかけである。 レイモンド・ローウィ(1893-1986)は20世紀最大のデザイナーとして知られ、「アメリカを形作った男」の異名を持つ。『口紅から機関車まで』(1953)という自著のタイトルにも表されるように、日用品から工業機械に至るまで様々な分野のデザインを手掛け、後世のデザイン業界に多大な功績を残した人物である。 その展示会の中で、私は自分のよく知っている数々の有名企業のロゴマークやパッケージデザインが、実は彼によって手掛けられたものであることを知り、衝撃を受けた。 たとえば、最も代表的なものは1951年日本専売公社(現・日本たばこ産業)がローウィに制作を依頼