音楽をめぐる環境が激変する中、ヒット曲を生み出す大きな役割を担っていた地上波テレビというメディアは、この数年でどう変わったのでしょうか? 音楽ジャーナリスト・柴那典さんがその実情と未来への指針を解き明かす新刊『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)。その内容を特別掲載します(毎週火曜・木曜更新)。 テレビの役割はどう変わったか これまでは10年代のヒットチャートの変化について語ってきた。 「CDがたくさん売れていること」と「その曲が流行っていること」がイコールではなくなり、結果として「ヒット曲が見えなくなった時代」が訪れたことを分析した。 では、ヒット曲を生み出す大きな役割を担っていた地上波テレビというメディアは、この数年、どう変わったのか? かつて80年代は『ザ・ベストテン』や『トップテン』が歌謡曲の時代を支え、90年代は『HEY!HEY!HEY!』や『うたばん』などの音楽番組が高視聴率を記録